言 の 葉

「アマビエ現わる!」江戸時代の瓦版~古文書原文を読み解く

投稿日:2020-06-27 更新日:


 引用元:東映アニメーション公式You Tubeチャンネル

 

みなさま ご機嫌よう
ゆみこです

ご覧いただき
ありがとう存じます

疫病退散の御利益があるとされる
江戸時代の妖怪「アマビエ」


出典:京都大学所有、京都大学附属図書館収蔵

上記は、江戸時代
肥後国(現・熊本県)で描かれたという
「アマビエ」の出現を伝えた瓦版です

令和時代。コロナ禍にあって
再度「アマビエ」
という伝承が、注目を集めました

しかし、古文書が好きな私には
絵よりも  右側の文字の方ばかりに
視線がゆきます

ご同朋な あなた。

ご一緒に「アマビエ」の
瓦版の古文書を読んでみませんか?

 

 崩し字を 新字体に変換する

瓦版の右側部分を
拡大したものが こちらです

その古文書を、
この瓦版に書かれたままに
旧字体は原文のまま
崩し字は新字体に変換すると、こうなります

肥後国海中江毎夜光物出ル。所之役人行
見る二、づの如く者現ス。私ハ海中二住、アマビヱト申
者也。當年より六ヶ年之間、諸国豊作也。併、
病流行、早々私を写シ人々二見せ候得と
申て、海中へ入けり。右ハ写シ役人より江戸江
申来ル写也。
弘化三年四月中旬

では、
この原文を解りやすく区切って
さらに
現代語訳を加えてみましょう

 

 現代語訳

肥後国海中江 毎夜光物出ル
肥後の国の海中へ 毎夜光るものが出た
所之役人 行見る二
その場所へ役人が行ってみると
づの如く者 現ス
図(絵)のような者が現れた
私ハ 海中二住 アマビヱト申者也
「私は 海の中に住む アマビエと申す者である
當年より 六ヶ年之間 諸国豊作也
当年(今年)より6年間は 諸国は豊作である
併、病流行
しかし、病気が流行る
早々 私を写シ
早々に 私(の姿を)写し
人々二見せ候得 と申て
人々に見せなさい」 と言って
海中へ 入けり
海の中へ 入っていった
右ハ 写シ
右の図は その写しである
役人より江戸江
役人から江戸へ
申来ル写也
申し出た(報告した)写しである

では、ここからは
旧字体がどのように崩され
新字体に変換されるのか

解き明かして参りましょう

 

 一行目「肥後国海中江毎夜光物出ル」

左側は⇒原文ですね
真ん中「くずし字(変体仮名)」
右側は⇒「新字体」に読み仮名をふりました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一~二行目
「所之役人行見る二 づの如く者現ス」

 

 二~三行目
「私ハ海中二住 アマビヱト申者也」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三行目~
「當年より六ヶ年之間 諸国豊作也」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三行目末~四行目
「併、病流行早々私を写シ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 四行目
「人々二見せ候得と申て」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 五行目
「海中へ入けり 右ハ写シ」

 

 五行目~
「役人より江戸江 申来ル写也」

 

 

 

 

 

 

 

 

 読解のために 使ったものは?

今回、
古文書を読み解くために使ったのは

・くずし字解読辞典
・あかしや新毛筆
・付箋
・紙

これだけ。

もしも
これに付け加えるとしたら
解らない文字(古語)の
意味を知りたいときに利用する
古語辞典です

けれど基本、これだけあれば
どなたでも 始められるのが
「古文書の読み解き」

私のきっかけは
礼法書の読解でしたが
ほぼ独学で解いています

ご興味のおありの方
お読みになりたい古書などを
お持ちの方は
ぜひ 一度なさってみて。

 

ご紹介のお品の詳細は
こちらで ご覧いただけます

⇒ くずし字解読辞典 普及版

⇒ あかしや 筆ペン 新毛筆 SA-300 

 

 編集後記

最後まで お読みくださり
ありがとう存じます

『古文書』には
それらを読み解くことで
次元を越えて
書き手が 私たちに語りかけくる
楽しさがあります

混迷した令和の世
一つでも多くの
大切な命が 守られますように

どうか
あなた自身も ご自愛なさって

明日へ
明ける日へと

一歩ずつ
無理せずに 参りましょうね

 

ご機嫌よう

 

 

-言 の 葉

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