みなさま ご機嫌よう
ゆみこです
『 男には
閾(しきい)を跨(また)げば七人の敵あり 』
と申します
お立場も 十人十色のみなさま
身につけておれる言葉も
色々おありでしょう
本日は
『御多分に洩れず・・』のお話し
今宵も
よろしければ お休み前に
一刻
お付きあい下さいませんか
意 味
【御多分に洩れず】とは
言われていること
と、
自分自身の状況が同じである
という意味です
ちなみに
【多分】とは「大多数」
という意味です
使い方
【御多分に洩れず】は
良い意味でも
悪い意味でも
言いにくいことを煙に巻いて
相手に伝える術にも使えます
たとえば
このような時に使います
「世間の大多数の 例外ではなく」
「おおかたの 予想通りに」
「主流の 期待を裏切らず」
「多数派の意見と 状況は同じで」
使用NGのとき
【御多分に洩れず】は
酷く厳しい状況下で
使ってはいけません
「 わかっていたのなら
なぜ対処しなかったのか!」
と叱られてしまします
洩れず と 漏れず
御多分に洩れず と
御多聞に漏れず は、同じでしょうか
答えは ✖
《多聞》は
「物知り」の意味で
類義語は「百聞(ひゃくぶん)」です
多くの物事をよく聞き知っている
という意味で
「博学多聞」と使われます
一方
《多分》は
「量や程度の多さ」を意味します
ちなみに
「漏れ」と「洩れ」は、同じ意味です
ただし
常用漢字としては「漏れ」
を用います
この言葉をつかった名著
【御多分に洩れず】の文字は
大正~昭和初期に活躍した作家
泉鏡花の
大正9年に発表された短編小説の中に
それを見ることができます
それは
「売色鴨南蛮((ばいしょくかもなんばん)」
の一節
《 泰氏も御多分に漏れず 》です
それは
雨の万世橋。
主人公の医師が、停車場の待合室で
緋縮緬の長襦袢を着た
女と出遭うところから始まります
鏡花さんの日本語は
ときに難しく
なんだか理屈っぽく
思いもかけぬ毒気にあたり
後ずさり
それも楽し… です
おわりに。
殿方には
どうか その博学多聞に
心の広さもプラスして
曲げてもなお
しなるような強さでいて欲しい
世間の強風と対峙し
ますます
御活躍くださいますように。
夜風も
めっきり冷えて参りました
どうぞ
お風邪など召されませんよう
ご自愛くださいませ
最後まで お付き合い下さり
ありがとう存じます
本日はこの辺りで
お暇いたします
ご機嫌よう