言 の 葉

【隠れ笠・隠れ蓑】「宝尽くし」の意味⑦着物の文様

投稿日:2018-11-26 更新日:

みなさま ご機嫌よう。

礼装のお着物の絵柄にも色々なものがあり
宝尽くしは、その中のひとつです。

華やかな場にふさわしく、
帯やバッグなどの文様にも
宝尽くしが散らされていることは多いもの。

本日は、その意味を解く『七の巻』
隠れ笠・隠れ蓑】の、お話しです。

どうぞ、ごゆるりと
お付き合い下さいませ。

 

 意味は

笠や蓑(みの)は、
・ 陽光をさえぎり、雨雪を防ぐためのもの

隠れ笠・隠れ蓑は、
・ 姿を見えなくする
・ 実体を隠す、正体を隠すもの

現在の世相に照らすと
・ 表向きの名目
・ 人をあざむくために使うもの

ですが

宝尽くしとは、中国思想の「八宝」や「雑八宝」からなる
縁起の良い【宝の文様】をいいます。

故に【隠れ笠・隠れ蓑】とは、

・ 危険な事物から、姿を隠し 守ってくれるもの
・ 病や災いから身を隠し、厄をのがれるもの

と言って良いでしょう。

 

 隠れ笠

 

 

 

 

出典元 / オオタの脳みそ

 

【隠れ笠】は、男性の文様です。

別名は、叡山菫(エイザンスミレ)と言われる
こんなに可愛らしいお花です。

出典元 / Wikipedia

ただ、花言葉は「ずる賢い」
やはり隠れ笠に由来しているのです。
すこし、お気の毒ですね。

その他に見られる情景には、こんなものもありますね。

・ お田植えの早乙女
・ 阿波踊りの笠
・ お遍路さんの笠

そして

 笠地蔵さん

こうして探してみると
どこか遠い物のように感じてた【隠れ笠】ですが、
実は今でも、あなたのすぐそばに在るのかもしれませんね。

 

 隠れ蓑

出典元 / オオタの脳みそ

 

【隠れ蓑】は、女性の文様です。

そして
こちらが、カクレミノの木です。

出典元 / Wikipedia

ウコギ科の常緑亜高木で
別名・天狗の団扇(うちわ)と呼ばれます

関東以南に分布し、樹液は家具の塗料に用いられ
神社の神事のお供えに使われることもあります。
(注:天狗の持っているのはヤツデです)

この【隠れ蓑】は、
天狗の宝物といわれ
その神通力を象徴するものの一つ。

こちらは高尾山の天狗像ですが

蓑というよりは
鳥の羽根のようですね。

イメージは、
昔話のおじいさんが来ていた
こちらでしょうか。

私は、こちらが好きかも(微笑)

秋の季語・みのむし。
上手く隠れていますものね。

 

 物 語

隠れ笠・隠れ蓑がでてくるお話しといえば

・ 宝物集(平安末期の仏教説話集)
・ 保元物語(鎌倉時代の軍記物)
・ 笠地蔵(にほん昔話)
・ かくれ蓑笠(にほん昔話)
・ 天狗の隠れ蓑 
(熊本県八代市に伝わるのは「彦一とんち話」)
(福井県に伝わるのは「ばくち打ち」のお話し)
・ 隠れ蓑と隠れ笠
(秋田県のむかし話)は、こんな風に始まります。
『 ざつと昔、ある所に兄がゐたけぢよん・・

いまも日本各地には
なんとも言えぬ味わいのある民話や
お伽噺(おとぎばなし)として多く、語り継がれています。

特に、天狗をだまして色々なイタズラをする
彦一ばなしは楽しくて
お子様に〔宝尽くし〕の説明をするには、うってつけ。

訪問着を着ておでかけの際に
待合のお部屋で
小さいお子様が飽きてしまって
ぐっずった時には
お召し物の「宝尽くし」の絵柄を指しながら
バッグにひとつ、絵本を入れておいて
面白い「とんち話」を聞かせてあげると
喜ばれますよね。


本日も、最後までお付き合いくださり
ありがとう存じます。

宝尽くしの意味『七の巻』は、
如何でしたか?

和装を大切になさる貴女なら
この国の伝統文化に敏感なはず。

この記事が
あなたのお役に立てれば幸いです。

 

次回は、こちら
⇒⇒⇒【打ち出の小槌】「宝尽くし」の意味⑧着物の文様

では
本日は、この辺でおいとま致します。
またお目にかかれます様に。

ご機嫌よう。

 

-言 の 葉

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慈しみ
人を敬い

薫るように

歳を ゑるほどに
人を深めて

もし

叶うのなら

和事に
華を咲かせながら

生きてみたい。。

 

ここへ
いらして下さる方々に

ほっと一息つける場所に
なれますように

つたないブログですが

 

つまずきながら
学びながら

感ずるままに  綴っております

どうぞ
ごひいきに。。

 

ゆみこ

 

 

略 歴

 

 

千羽屋呉服店・長女

永田町のとある神社へ
本職の巫女として奉職

舞台着付
根津昌平氏師事(松竹衣裳)

和裁学苑
村林益子氏師事

和装ポージング&ウォーキング
田中レーヌ氏(パリコレモデル)師事

和文化講座
中嶋よしゑ氏(京都・芸妓)様

メンタルケア・スペシャリスト認定

きもの文化検定3級

小笠原流礼法・師範