言 の 葉

【竹取物語】の謎と作者の意図 ① 5人の求婚者たち

投稿日:2020-06-18 更新日:

 

みなさま ご機嫌よう

ゆみこです

今日も いらしてくださり
ありがとう存じます

 

 

『 今は昔、竹取の翁というものありけり。
野山にまじりて竹を取りつつよろづのことに使いけり…』

ご存知【竹取物語】の序文です

 

今なお
作者も明らかにされず
成立年も解らず
原本も現存しないけれど

これが、日本最古の物語

 

あなたは
どのような印象をお持ちですか

 

かぐや姫は、言います。

『 だって、どうしてそんなことするのですの。
わたし、嫌ですわ。』

 

美しい年頃の姫に
結婚を勧める 養父の翁

千年の時を経た この姫の言の葉に
古さは感じられません

 

洋の東西を問わず
童話・伝説・お伽噺(おとぎばなし)は
底の知れぬもの

 

今宵は

川端康成・訳で読む
【竹取物語】の謎と作者の意図から

「5人の求婚者たち」というお話しです

 

 

 実在した5人

かぐや姫は、言います

『 どんなに御位の高い、御立派なお方でありましょうと、
そのお方のお心の深さも知らずに、
お契り申すことは出来ません。』

 

その5人の御方。
実は、いずれも実在の歴史上の人物です

平安初期に
藤原政権の官領名簿に名を連ねた者ばかりで

仏の御石の鉢(ほとけの みいしのはち)を所望された
石作皇子
(いしづくりのみこ)は
左大臣多治比嶋(さだいじん たじひのしま)
蓬莱の玉の枝(ほうらいの たまのえ)を所望された
車持皇子
(くらもちのみこ)は
藤原不比等(ふじわら の ふひと)
火鼠の裘(ひねずみの かわごろも)を所望された
右大臣阿部御主人
(うだいじん あべのみうし)は
→ そのまま本人
龍の首の珠(たつの くびのたま)を所望された
大伴御行大納言
(おおとも みゆき だいなごん)は
→ そのまま本人
燕の子安貝(つばめの こやすがい)を所望された
中納言石上麻呂足
(ちゅうなごん いそのかみ まろたり)は
→ そのまま本人

求婚者たちは
5人共
壬申の乱(672)に関係している人物です

都のある
飛鳥京(現在の 奈良県高市郡明日香村)
もしくは
藤原京(現在の 奈良県橿原市~高市郡明日香村辺り)に住み
天武天皇・持統天皇に仕えた人物

ここから
物語の舞台となるのは奈良時代初期
と目されています

またその頃は
度重なる戦さと、異常気象による飢饉
疫病に見舞われ
多くの民が、平安とは縁遠く
人生の無情にあえいでいた時世

もちろん それは
5人のせいばかりではありませんが

作者は、地位も高く
当時の藤原政権に強い不満をもった者

意図を持って
統制する都人たちに深い恨みを抱き

その世相を
後世に伝える資料として綴った一面が
垣間見られるという その観点から

土佐日記の紀貫之や、菅原道真の名も
伝えられております

 

かぐや姫に求婚した5人の末路

姫からの 無理難題の前に
完膚なきまでに打ちのめされてしまう
というものですが

もしも この物語が
単に高級官僚への風刺だけのために
編まれていたのであれば、
物語はここで終わって良いはず

なのに

【竹取物語】は
伝承される中で 肉付き ふくらみ
このあと
月と地球を巻き込んだ 姫の罪
にまで話しが及びます

これが
「この物語は1人で作られたものではない」
とされる由縁です

 

さて

かぐや姫は、何故
求婚者たちに、あのような仕打ちをしてまで
御縁を結ばなかったのでしょう

あなたは、どのようにお思いになりますか

 

次の謎を求めて

この先は
またの宵の刻にいたしましょう

次回
【竹取物語】の謎 ② かぐや姫の罪と、帝への想い。

 

ご機嫌よう

 


現代語訳 竹取物語 (河出文庫)

 

 

 

-言 の 葉

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ご挨拶

 

ご 挨 拶

千年の先

15代あとの子らに

あなたは
何を伝えたいですか

日の本のくにの

言の葉の ぬくもり
きよらかな 所作

いまを  惜しみ
慈しみ
人を敬い

薫るように

歳を ゑるほどに
人を深めて

もし

叶うのなら

和事に
華を咲かせながら

生きてみたい。。

ここへ
いらして下さる方々に

ほっと一息つける場所に
なれますように

つたないブログですが

つまずきながら
学びながら

感ずるままに  綴っております

どうぞ
ごひいきに。。

 

ゆみこ

 

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