言 の 葉

【橘】の意味・吉祥文様を解く(動画あり)

投稿日:2019-01-26 更新日:

 

みなさま ご機嫌よう。

嫁ぐ日に袖を通したい衣裳。
絢爛豪華な色打掛に秘められた、
吉祥紋様

その中に
常世の国に生えていたという、

日本にしか自生しない蜜柑
『橘』があります。

それは、
ころん。と、まぁるい文様で描かれ
時に、帯や小物の柄として

お雛飾りの、
左近の桜と共に右近の橘としても
親しまれる樹木なのですが

実は、多くの方々が
知っているようで知らない

本日は、吉祥文様の
【橘】について語ります。

 

 日本で唯一の野生のみかん

今、絶滅危惧に位置する
とても貴重な果物である橘。

【橘】は、
ミカン科ミカン属の常緑小高木で、
我が国に自生する 唯一の柑橘です。

樹高は2 ~4 m で若い幹には棘があり、
6月の梅雨の頃に
枝先に 芳香のある小さな白い花を咲かせます。


ヤマトタチバナの花  / Wikipedia

冬になると紀州・温州の蜜柑にも似た
重さ6 g・直径3cmほどの果実がなります。

とても小さく黄色くて
酸味が強く 苦味もあるため、
生食用には向かず
マーマレードなどに加工されます。

国内北限の自生地は 静岡県沼津に位置し、
主に
和歌山県、三重県、山口県、四国地方、九州地方などの
暖かい土地の海岸沿いに育ちます。

ですが
今では継がれゆく努力の必要な
貴重な存在です。

 

 日本生まれの『吉祥文様』

 

そして【橘】は、
数少ない日本生まれの『吉祥文様』です。

この他に。
日本独自吉祥文様にあたるのは

御簾(みす)

几帳(きちょう)

冊子(そうし)


檜扇(ひおうぎ)


御所車(ごしょぐるま)

 

等が、ありますが

有名どころの吉祥紋
『松・竹・梅 ・菊・桜・鶴・亀』などは
すべて
中国からもたらされた意匠です。

また【橘】
柑子(こうじ=蜜柑類)は、
好事・幸事に通じる」 とか

柑橘(かんきつ)のキツは、
に通じるため、
紋様に描かれる
その形が大きいほど
大吉につながる とか

そんな語呂合わせで
人々に親しまれる文様でもあり

現在は
初宮・七五三・成人式・花嫁の色打掛など

晴れの日の衣裳・帯・小物の文様に
見ることが出来ます。

あなたの大切なお持ち物にも
こんな文様は描かれていませんか?


橘 紋

 

 文化勲章と、桜・橘。

ところで、【橘】は、こんな所にも。

我が国の『文化勲章』です。


 文化勲章 / 内閣府HPより

白い五弁の花びらの上には
良く見ると、こんな風に
も用いられているのですね。

この勲章が制定されたのは、
1937年(昭和12年)です。

実は、
その制定前のデザインでした。

左近桜・右近橘(京都御所・紫宸殿)

潔く散るは、
その儚さ・潔さから戦国の世の
を思わせますが

それとは対照的に

常緑で、葉が落ちず 色も失われない事から
文(知)』と永遠性を現わす

そんな解釈にもなって、

この【橘】モチーフの勲章は、
これからも我が国の科学技術芸術などに
功労のある方々の胸に輝き、継がれゆくのでしょう。

 

 世界でも、伝説の果物。


出典元 / Wikipedia

黄金の林檎を、ご存知でしょうか。

多くの国々で「不思議な果実」とされる
オレンジのことです。

ギリシア語・ラテン語・ドイツ語・フィンランド語・
ヘブライ語・ロシア語など各国で
不思議なことに 同じ語源を持ち

「不思議な果実の物語」として
語り継がれています。

有名なのは、ギリシャ神話・北欧神話ですね。

そういえば・・。

『橘』は

我が国でも、数多い伝説を残す果物です。

有名なのは
・垂仁天皇と田道間守の伝説
・元明天皇と県犬養三千代の伝説


田道間守 / Wikipedia

そう。橘は・・

古事記・日本書紀・万葉集などにも記されている
常世の国
(とこよのくに)という
古代の日本で信じられていた『理想郷』に
生えていたという伝説の果物

そこは海の彼方にある、海の神の支配する国。
永久不変・不老不死・若返りの叶う国。

【橘】は、
そんな常世の国(とこよのくに)に生える
非時香木実(ときじくのかのこのみ)
(=時じくの香の木の実)のこと。

それは、
非時(ときじく)」=時を定めず
香の木の実」=いつでも香りを放つ実

その上、他の果実と違って
花と実を同時に付ける不思議な実という。

葉も常緑をたたえ
一年中青々としている為、
不老不死の力(永遠の命をもたらす)霊薬
信じられたことに由縁します。

たとえば
色打掛けならば これになぞらえて

【永遠の愛を・添い遂げる】意を持つ
文様として
今も愛され続けているのです。

 

 動画「橘」 

【橘】の美しい映像が堪能できる動画を、みつけました。

無音なのが残念でもあり、かえって奥ゆかしい映像です。
宜しければ、どうぞご覧くださいませ。


引用元:MisawaAC3387

 

永遠と永久を形に現わす
『吉祥』の名を持つ【橘】のお話し。

如何でしたか。

なんだか
永遠なんて、口幅ったいけれど

いま 手にしている当たり前の幸せな日々を、
心に留め置く努力と。

あなたを見つめる
愛しい方々からの優しい眼差しのことを

【橘】=「みかん」手に取るたびに
思い起こして下さると嬉しいです。

人は弱いものだから
大切なものを、つい忘れてしまうの。

だからこそ

世界中の人々が求めた『オレンジ』
日本固有の【橘】

その永遠の力に あやかって

折々に これからの幾年月、
【橘】が
大切な皆さまの味方でいてくれます様に。

本日も、最後までお読み下さり
痛み入ります。

こちらでは【右近橘】に触れています。
宜しければ、覗いてみてくださいね。
⇒⇒⇒雛飾り【左近桜・右近橘】の置き方に困っているお母様へ。覚え方。

いつも有難う存じます

ご機嫌よう。

 

 

-言 の 葉

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千年の先

15代あとの子らに

あなたは
何を伝えたいですか

日の本のくにの

言の葉の ぬくもり
きよらかな 所作

いまを  惜しみ
慈しみ
人を敬い

薫るように

歳を ゑるほどに
人を深めて

もし

叶うのなら

和事に
華を咲かせながら

生きてみたい。。

 

ここへ
いらして下さる方々に

ほっと一息つける場所に
なれますように

つたないブログですが

 

つまずきながら
学びながら

感ずるままに  綴っております

どうぞ
ごひいきに。。

 

ゆみこ

 

 

略 歴

 

 

千羽屋呉服店・長女

永田町・山王日枝神社奉職

舞台着付
根津昌平氏師事(松竹衣裳)

和裁学苑
村林益子氏師事

和装ポージング&ウォーキング
田中レーヌ氏(パリコレモデル)師事

和文化講座
中嶋よしゑ氏(京都・芸妓)様

メンタルケア・スペシャリスト認定

きもの文化検定3級

小笠原流礼法・師範