日本神話 神 社

古事記が原因?神拝詞 「大祓」を唱えるのを怖がった巫女

投稿日:2021-02-13 更新日:

みなさま ご機嫌よう

いつも ありがとうございます
ゆみこです

「神拝詞(大祓) を唱えるのを怖がった巫女」

それはかつて
本職の巫女として御奉仕していた
私のこと(苦笑)

本日は、神道の
大祓詞(おおはらえことば)】
についてのお話しです。

 

 神拝詞って なぁに?

とっても簡単にいうと
神道の「祓い言葉」のことです

みなさまの中には
毎朝
ご家庭の神棚にむかって

祓(はら)え 給(たま)い
清め給え
守り給い
神(かむ)ながら
守り給い
幸(さきわ)え給え

と、手を合わせ

略拝詞(りゃくはいし)
唱える習慣を
おもちの方もおありでしょう

これに対し

神職や 巫女が
毎朝、ご神前に集い
唱えているのが
大祓詞(おおはらえことば)です

これは
『すべての罪 穢れ(つみ けがれ)を祓う』
とされる拝詞ですね

一般に、神社本廳藏版の
【神拝詞】

どなたでも手に入れることができます

その内容は

  • 大祓詞(おおはらへのことば)
  • 祓詞(はらへことば)
  • 略祓詞(りゃくはらへことば)
  • 神社拝詞(じんじゃはいし)
  • 神棚拝詞(かみだなはいし)
  • 祖霊拝詞(それいはいし)
  • 略拝詞(りゃくはいし)

こういったものです ⇓

↓ 神社本廳藏版の【神拝詞】
神拝詞

縦 19cm・横 6cmの
蛇腹で小さなもので

私も
白衣の胸元にはさんで
毎朝、神前に向かったものです

ただし

本職の神職・巫女は
それに目を落とすことは
ありません

私自身
何もわからぬ 新入りの頃には
ただ ひたすらに
みなさんが諳(そら)んじている横で
必死に覚え
いつの間にか身につけるのが
習いだったのです
毎朝 9時に行われる
朝拝(ちょうはい)では

本殿の御神前に
上座に 神職
下座に 巫女が
正中をはさみ 横一列に正座します

それぞれ板上に
序列を違(たが)うことなく
座するさまは

時が 止まるような空間で
厳かな太鼓の音と
泊りの神職さんが先導する
第一声に導かれて 始まりました

 

 何が 怖かったの?

それは・・

大祓の中の
文言(もんごん)のことなのです

十代のころの自分には
【大祓詞】のある部分の文言が

とにかく
毎朝、訳もわからず

怖くて 怖くて 
仕方なかったことを覚えています

けれど 大人になって
気づいたのです

実は その部分が

手元にある
【神拝詞】には 載っていない!

ことに。

調べてみると

明治以降に奉唱されている
「大祓詞」の多くは
大正時代の 内務省選定のもので

市販もされている
神社本廳藏版の【神拝詞】には
あの文言 が、無い・・

「天つ罪(あまつつみ)と」と
「此(か)く出(い)でば」の間に

自分が
とても怖かった その文言が

無い

・・・。

それで
口伝だったのですね

 

では
削除部分を加えた「全文」を
次に 掲載いたします

 

 大祓詞「全文 」

※「内務省制定の大祓詞」にて
削除された部分は 

緑色に替えております

 

高天原(たかまのはら)に神留(かむづま)り坐(ま)

皇親(すめらがむつ)
神漏岐(かむろぎ) 神漏美(かむろみ)
(みこと)(も)ちて

八百萬神等(やほろずのかみたち)
神集(かむつど)へに集え賜ひ(たまい)
神議(かむはか)りに議り賜ひて

(あ)
皇御孫命(すめみまのみこと)
豊葦原水穂國(とよあしはらのみづほのくに)
安國(やすくに)と平(たひら)けく
(し)ろし食(め)せと

事依(ことよ)さし奉(まつ)りき
(か)く依(よ)さし奉りし
國中(くぬち)
荒振る神等(かみたち)をば

(かむ)(と)はしに  問はし賜ひ(たまい)
(かむ)(はら)ひに  掃ひ賜ひて

語問ひし(ことといし)磐根(いわね)
樹根立(きねたち)
草の片葉(くさのかきは)をも  語止(ことや)めて
(あめ)の磐座(いわくら)

天の八重雲(やえぐも)
伊頭(いづ)の千別(ちわ)きに千別きて

天降(あまくだ)し  依(よ)さし奉(まつ)りき
(か)く依さし奉りし

四方(よも)の國中(くになか)
大倭日高見國(おおやまとひだかみのくに)
安國(やすくに)と定め奉(まつ)りて

下つ(したつ)磐根(いわね)
宮柱(みやばしら)太敷き(ふとしき)立て
高天原
千木(ちぎ)高知(たかし)りて

皇御孫命(すめみまのみこと)
(みづ)の御殿(みあらか)
仕へ(つかえ)(まつ)りて

(あめ)の御蔭(みかげ)
(ひ)の御蔭と隠り坐(かくりま)して

安國(やすくに)
(たいら)けく知(し)ろし食(め)さむ
國中(くぬち)に成(な)り出(い)でむ
(あめ)の益人等(ますひとら)
過ち犯(おか)しけむ

種種(くさぐさ)の罪事(つみごと)
天つ罪(あまつつみ)

畔放(あはなち)溝埋(みぞうめ)
樋放(ひはなち)頻播(しきまき)
串刺(くしさし)生剥(いきはぎ)
逆剥(さかはぎ)屎戸(くそへ)

許許太久(ここだく)の罪を
天津罪(あまつつみ)と宣(の)り別(わ)けて

国津罪(くにつつみ)とは
生膚断(いきはだたち)
死膚断(しにはだたち)

白人(しろひと)
胡久美
(こくみ)

己が母犯せる罪(おのがはは おかせるつみ)
己が子犯せる罪(おのがこ おかせるつみ)
母と子と犯せる罪(ははとこと おかせるつみ)
子と母と犯せる罪(ことははと おかせるつみ)
畜犯せる罪(けもの おかせるつみ)
昆虫の災(はうむしの わざわい)
高津神の災(たかつかみの わざわい)
畜仆し(けものたおし)
蠱物為る罪(まじものせるつみ)
許許太久(ここだく)の罪出でむ

(か)く出(い)でば

天つ宮事(あまつみやごと)(も)ちて
天つ金木(あまつかなぎ)を本打(もとう)ち切
末打(すえう)ち断ちて

千座の(ちくらの)置座(おきくら)
置き足ら(おきたら)はして
天つ菅麻(あまつすがそ)
(もと)刈り断ち 末(すえ)刈り切りて

八針(やはり)に取り裂きて
(あま)つ祝詞(のりと)
太祝詞事(ふとのりとごと)を宣(の)

(か)く宣(の)らば

天つ神(あまつかみ)
天の磐門(いわと)を押し披(ひら)きて

天の八重雲(やへぐも)
伊頭(いづ)の千別(ちわ)きに千別きて
聞こし食(め)さむ

國つ神(くにつかみ)
高山の末(たかやまのすえ)
短山の末(ひきやまのすえ)
(のぼ)り坐(ま)して

高山の伊褒理(たかやまのいぼり)
短山の伊褒理(ひきやまのいぼり)
(か)き別(わ)けて聞こし食さむ

(か)く聞こし食(め)してば

罪と云ふ 罪は在(あ)らじと
科戸(しなど)の風の
天の八重雲(あめのやへぐも)
吹き放つ事の如(ごと)

(あした)の御霧(みぎり)
(ゆうべ)の御霧を
朝風(あさかぜ)夕風(ゆうかぜ)
吹き拂ふ(はろう)事の如く

大津邊(おおつべ)に居(お)る大船(おおふね)
舳解き(へとき)放ち(はなち)
艫解き(ともとき)放ちて
大海原(おおうなばら)に押し放つ事の如く

彼方(おちかた)
繁木(しげき)が本(もと)

焼鎌(やきがま)の敏鎌以ちて(とがまもちて)
打ち掃ふ(うちはろう)事の如く

(のこ)る罪は在(あ)らじと
(はら)へ給(たまい) 清め給ふ事を

高山の末(たかやまのすえ)
短山の末(ひきやまのすえ)より

佐久那太理(さくなだり)
落ち多岐つ(おちたぎつ)

速川(はやかわ)の瀬に坐(ま)
瀬織津比売(せおりつひめ)と云ふ神
大海原に  持ち出(い)でなむ

(か)
持ち出で
(もちいで)往なば(いなば)

荒潮(あらしお)
潮の
(しおの)八百道の(やほじの)
八潮道(やしおじ)
潮の
八百會(やおあい)に坐(ま)

速開都比売(はやあきつひめ)と云ふ神
持ち加加呑(もちかかの)みてむ
(か)く  加加呑(かかの)みてば

氣吹戸(いぶきど)に坐す
氣吹戸主(いぶきどぬし)と云ふ神
根國(ねのくに)
底國
(そこのくに)
氣吹(いぶ)き放ちてむ

此く 氣吹き(いぶき)放ちてば

根國 底國に坐す
速佐須良比売(はやさすらひめ)と云ふ神

持ち佐須良ひ(もちさすらい)失ひ(うしない)てむ
(か)く 佐須良ひ(さすらい)
失ひ(うしない)てば
罪と云ふ罪は在(あ)らじと

祓へ給ひ(はらへたまい)
清め給ふ(きよめたもう)事を
天つ神 國つ神
八百萬神等(やおろづのかみたち)共に
聞こし食(め)せと

畏み(かしこみ)
畏み(かしこみ)も 白す(まをす)

※ 補足は、こちらの記事で
⇒⇒  神拝詞には載ってない・ に答える「大祓詞」全文・現代語訳

 

恥ずかしながら
本職の巫女として
御奉仕していながら私自身は

上記の色を変えた部分にある

口にするのも はばかられる
文言の羅列

を、
十代頃 未熟な私は
とにかく触れたくない思いで
必死にこらえて
唱えていました(苦笑)

ほんとうに・・

臆病なもので
あいすみません。

それにしても

大祓詞(おおはらえことば)にも
色々あるなんて
知りませんでした

祝詞集も それぞれの出典により
祝詞の表現も
微妙に違っているのですね

 

 削除された部分と「古事記」

ときに

世界を見回して
各国の動向を望めば

その国の
積み重ねてきた歴史書の中に
いろいろなヒントを
垣間見ることもあります

私も
自分の歩んできた道を振り返り
ふたたび
「古事記」や「日本書紀」を
手にとってみました

大祓詞】の
削除された部分

その意味するところは
「古事記」や「日本書紀」に
多々、描かれています

「古事記」も
読み解くと
深いものがありますね

そのお話しは
こちらに続きます

⇒⇒10分で読む!「古事記」の苦手な あなたへ「上巻」あらすじ

 

 編集後記

【千度祓(せんど‐ばらい)の行】
という言葉を
ご存知でしょうか

「大祓詞」は
千回 唱えれば良いことが起こる!

という思想で
いまも「神拝詞」を用いて
お勤めになる方もいらっしゃいます

けれど

それが出来ぬといって
恥じることもないですし

それなら「ありがとう」を
ひたすらに 千回唱えても 同じこと

そもそも

神社とは
「願うよりも御礼報告」な場所

いま在るもの・こと
あなたの頑張りを  胸に

「今日も 有難うございます」
と、心を込めて報告する場所だもの

 

・・・。

そんなことを
御奉仕しながら
いつもいつも神職さまと
話していた日々でした。。

 

最後まで お付きあいくださり
ありがとうございます

本日は この辺りで
おいとま致します

 

ご機嫌よう

 

 

-日本神話, 神 社

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ご挨拶

 

ご 挨 拶

千年の先

15代あとの子らに

あなたは
何を伝えたいですか

日の本のくにの

言の葉の ぬくもり
きよらかな 所作

いまを  惜しみ
慈しみ
人を敬い

薫るように

歳を ゑるほどに
人を深めて

もし

叶うのなら

和事に
華を咲かせながら

生きてみたい。。

ここへ
いらして下さる方々に

ほっと一息つける場所に
なれますように

つたないブログですが

つまずきながら
学びながら

感ずるままに  綴っております

どうぞ
ごひいきに。。

 

ゆみこ

 

【 恩 師 】

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根津昌平 師

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吉澤菱久 師

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