みなさま ご機嫌よう
本日、こちらでは
「銀座結び」の手順を、文章・手描きで解説し
それ以外の簡単な方法での
「着付け動画」
「お薦めの本」もご紹介いたします
私の師匠は松竹衣裳の
舞台着付けの 故・根津昌平氏
あなたの
流派とは違うかもしれませんが
一度でも、
どこかで習ったことがおありなら
その記憶の糸をたどり寄せる
手助けになるかもしれません
宜しければ、どうぞ
ごゆるりと お付き合い下さいませ
「角出し」と「銀座結び」の違い
大正時代に名古屋帯ができる前、
「引き抜き帯」という帯で結ぶ『角出し』という結び方がありました。
1.角出しは
本来
「引き抜き帯」「昼夜帯」「丸帯」等を使って結ぶもの
江戸時代に考案された古い結び方です
本角出しとは
「引き抜き」と言われる方法で
「帯揚げ」「帯〆」は使わず、帯だけで締めています
結び方
手先とタレ先を交差させてタレを引き抜くもので、
出来上がりは、お太鼓の柄が逆さまにつけられ
垂れが裏面になります
そして最後に、手先の上を外に返すのが特徴です。
歌舞伎では
町人の女性などの帯結びで良くみかけますね
その後、
「名古屋帯」が考案されます
名古屋帯も
柄が上向きにつけられているので
『角出し』を結ぶと、やはり
お太鼓部分の柄が逆さまになってしまいます。
それでも
『名古屋帯でも角出しの雰囲気を出したい』
といって銀座のママが考案したのが
『銀座結び』
こちらは「帯締め」「帯揚げ」を使うので
前から見るとお太鼓結びと変わりません。
2.銀座結び
銀座結びは
基本【結ばず、ねじるだけで良い】というのが始まり。
短めの帯で、楽に結べます
結び方は
手先を長めにとって、お太鼓をつくって手先を入れ、
左右から手先がでるようにして帯締めを締めます。
基本的には、帯枕は使わず
3cm程の幅に細く切った厚紙とか
プラ衿芯などを芯にして、帯揚げをかけて固定します。
「帯締め」「帯揚げ」は使うので
前からの着姿は、お太鼓結びと同じです
根津流「銀座結び」の手順
- 手は80㎝ほど取り
その部分を背中心に当てます
一巻き目は↓こんな感じ
二巻き目は↑手を下ろして
- 帯下線にクリップで留める
- 角の三角は帯の中へ折り込む
- 手を、折り畳む
- 帯〆で↓仮止めします
- 小さな枕を↑帯揚げでくるむ
- 垂れの裏側に枕を当てて、
帯の上に乗せます
(注①)
枕は、なるべく薄いもの。
または、タオルなどで代用して
帯揚げをくるんで使う
(注②)
枕の位置は、帯に乗せたときに
羽根をつぶさない余裕をもたせて
はじめに三角に折り込んだ所を
台にして乗せると落ちない
- 仮止め用の帯〆を外し、
- 羽根を↓持ち上げる
- 帯〆をする
- 位置は、決め線より少し上へ
出来上がり。
こちらでは薄手の枕を使っています
また
結ばずにねじるのが銀座結びの特徴ですが
ねじるだけではゆるくなってしまうので
こちらは、
お太鼓クリップで固定する方法です
私が帯枕を使う理由
まず、銀座結びで
帯がペタンと下がってしまう原因が
- 結ぶときに
垂れを上にして結ばず、手を上にして結んでしまうため - 帯が柔らか過ぎるため
痩せ型なので
普通に、銀座結びをすると
帯がペタンと下がって貧相に見えます
その為、あえて薄くて小ぶりの枕を使い
膨らみを上にもってくる結び方をします
着付け教室によっては
・プラスチックの衿芯を切って入れる
・左右に出るつの部分の中心をゴムで止める
・ガーゼ部分に厚紙を挟む
・ハンドタオルを入れる
などの方法もあります
一方
私は背が低いので
銀座結びをすると、後ろから見たときに
人より帯が下がって見えてしまいます
ですから、あえて薄手の枕で
高さを上にもってくる結び方をします
この方法で結ぶと、後ろの帯線は上に乗った
お太鼓の形はコロンと丸くなります
こんな風に自分の体型に合わせ
いつも自分の着姿を大切にするように
考えています
「銀座結び」で行ける所は?
「銀座結び」を控えた方がよい場所とは
・礼装・訪問着には結ばない
・式典や婚礼などのフォーマルな場には結ばない
・人や目的によっては不似合いな場所もある
・目上の方の大勢ご出席の場は避けた方がよい
TPOを考慮し、粋に装いたいなら・・
・「江戸小紋」
・「絞りの浴衣」
・「紬に献上柄」
・「粋な縞の着物」
これらを召された上に
「夜会巻き」をされるなどは美しいですね
「垂れと手先を結ぶ方法」の動画
帯び結びには
いろいろな方法があります
ご自身の扱いやすいものと
出会えるのが一番かもしれません
こちらは
「銀座結び」を、引き抜きではなく
太鼓の中で、垂れと手先を結ぶ方法です
とっても簡単で
現在(2020.2)で6万5千回再生という
人気動画です
引用元:kimonodetanosimu
この着付けは
垂れを手先に巻きつけて固定するので
安定感があります
そして、引き抜いた垂れ先の斜面が
より粋さを作り出します
六通か全通柄の、
薄手で柔らかく滑りの良い帯を使うと
上手く結べそうです
バリエーションの一つとして
お試しになるのも
きっと 楽しいですよ
お薦めの書籍
私のお薦めするのは
私の師匠
故・根津昌平氏の著書
そして、同じ松竹衣装で
古典芸能の着付けをなさっていらした
笹島寿美先生のご著書です
いつも
着物をお召しになる方に
寄り添い、心をくだく
御二人のお人柄にも
触れることのできる名著です
最後までお読みくださり
ありがとう存じます
貴女のお役に立てますと
幸いです
では
本日はこれにて失礼いたします
ご機嫌よう