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極める音色・「三重奏」南部風鈴

投稿日:2018-07-06 更新日:

みなさま ご機嫌よう。

夏の風に添わせるのなら風鈴。
中でも 深いトーンで鳴るのが
南部鉄。

あなたの、お好みの音色は?

材質によって違う趣を魅せてくれる
風鈴。

その逸品の中
3つの和音で不思議なのが・・・

 

 南部風鈴『三重奏』

南部鉄。

まずは、こちらを聴いてみてくださいませ。


chachameron2000

 

古くは、
伊達藩で培われた鋳物製造の技。
その一つ
吊り鐘型の南部風鈴は
あまりにも有名ですが、

その音色に魅せられた方が
その先に、辿り着くのが これ。

松笠型といわれる
三連の鐘

一つ一つの独立した音色を、
風が無作為に操作すれば

チリン・ カラ・ コロン・・。

そこに生まれる和音は
風が舞うたびに

しっとりと心に降りて
胸をつかまれます

何か そこには
理由がありそうですね。

 

 風鈴の起源

それは
「占風鐸(せんふうたく)」

音の鳴りかたで物ごとの吉兆をみる
占いの道具でした。

仏教と共に
中国から渡来して来た占風鐸は、
日本では寺院の屋根の四隅に掛ける

「風鐸」
になります。

飛鳥・奈良時代には、
寺院から響く
ガランガランという音が聞こえる
範囲には、災いが起こらない
と、信じられていました。

「風鈴」という

この言葉を初めて使った方は、
浄土宗の開祖・
法然上人(1133~1212)です。

ただ、法然さんは
ふうれい」と呼び、

「風鈴は極楽の風の響きを伝えるもの」
と言い、

北斎漫画」には
鉄製の風鈴に向かい、必死に祈る
僧侶の姿が描かれています。

このように呪術的な意味での
役割が強かった風鈴

これが、現在のように
庶民の夏の風物詩となり

とりわけ、
南部風鈴を有名にするのに
一役かったのは

「風鈴蕎麦売り」の出現。
明和年間に江戸で流行ます。

そば屋の屋台に1~2個の鉄製の
風鈴を吊し、

豆腐屋のラッパの合図のごとく
蕎麦を売り歩いたのです。

そんな
18世紀の江戸の町。

路地に風鈴の響きわたる様子は
どんな景色だったのでしょう。

良い時代ですね。

ちなみに、京都・大阪では
主に
うどん売りの音であったと言います

やはり、風鈴も地域色は
強いものなのですね。

 

 全国各地の風鈴

といえば、

硝子製・奈良風鈴
江戸切り子・硝子風鈴

佐賀県・有田焼風鈴
愛知県・常滑焼風鈴

姫路の名産・明珍火鉢風鈴

などがありますが、

別格で種類の多いのが
岩手県・南部風鈴。

吊り鐘型・松笠型・灯籠型
野菜や果物・動物型・つりしのぶ
二重奏・三重奏・四重奏

この種類の多さも
より広く長く愛されてきた証。

 

ただ、ひとつ

 ご注意いただきたい事

それは、

なにぶん鉄製ですので
重量があり、重いのです

移動には 多少の手を焼きます。

街住まいで 風鈴を楽しむのなら、
ご近所さまへの音の配慮は大切ですので

いつも
その日の風の加減を感じて
移動します。

なので私は
いつもS字フックに繋げて
なるべく移動のしやすいようにしております。

マンションのベランダで
ちょうど良い加減で 風にそよいで
鳴ってくれる日ばかりではありませんから、

風の強い日には
窓辺に移動して 室内で楽しんだり

そして夜間は
外に出したままには致しません。

この方法で 私は何年も
ご近所様にお小言を頂戴すること無く
風鈴が楽しめております。

無論
音色の好みは 人それぞれです。

でも私は やはり南部鉄

余韻も長く 円みがある
この音色が好きです。

もし、あなたも
同じように南部風鈴の音色が
お好きであれば

ぜひ一度、お聴きいただきたい。
『三重奏の音色』

風鈴は、祈り。
風鈴は、浄化。

自分だけでなく この音色に
癒やされて下さる方も居て下さったら
有難いことですね

どうぞ すてきな夏をお迎えください。

 

ご機嫌よう。

 

 

 

-小物

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